近藤氏の講演の様子
近藤氏の講演の様子
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 「我々が高齢者のリハビリで特に注意しているのは転倒だ。加齢によって身体が弱ったフレイル(Frailty)と呼ばれる状態では、身体のバランスが悪いため転びやすくなる。一度転ばせてしまうと高齢者はその恐怖から活動範囲を狭め、それによって筋肉量が減ってフレイルをさらに悪化させてしまう」――(関連記事1)。

 高齢者を転倒させることのリスクを、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の機能回復診療部 部長を務める近藤和泉氏はこう語る。そこで「転倒を防ぎつつ運動させることが重要だ」(同氏)。こうした観点から同センターでは、高齢者の身体機能回復訓練へのロボットの導入に力を入れている(関連記事2)。

 同氏は「第18回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2015」(2015年5月21~23日、名古屋市国際展示場)の「医療・福祉産業への新規参入を促すビジネスセミナー」に登壇。「高齢者の長寿と生活を支えるロボット」と題し、国立長寿医療研究センターの取り組みを紹介した。