図1 開幕を前日に控えた、会場となる「Cobo Center」。一般公開は1月17日から。
図1 開幕を前日に控えた、会場となる「Cobo Center」。一般公開は1月17日から。
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 タクシー運転手は言い切った。「プラグインハイブリッド車? 電気自動車? ガソリンがこんなに安いんだから要らないよ」――。2015年1月11日(米国時間、以下同)の早朝、筆者は米国ラスベガスのホテルでタクシーを拾ってマッカラン国際空港に向かっていた(関連記事)。「2015 Internatoinal CES」の取材を終え、米国最大の自動車展示会「The North American International Auto Show(NAIAS、デトロイトモーターショー)」が開催されるデトロイトに飛ぶためだ。

 米国の自動車市場は今、ガソリン安に包まれている。米非営利団体American Automobile Association(AAA、米国自動車協会)は年明け早々の1月2日、原油安によって米国の運転者は、2015年は最大で750億ドル(約9兆円)のガソリン代節約の恩恵を受ける可能性があるとの見通しを示した。

GM社はPHEV「Volt」で勝負

 AAAの発表から3日後の1月5日には、世界の原油価格の指標となる WTI(West Texas Intermediate)の先物価格が、5年8カ月ぶりに、一時1バレル=50米ドルを割り込んだ。わずか半年間で半値になった。

 こうした状況の中で、デトロイトモーターショーが1月12日に開幕する(図1、2)。注目したいのは、General Motors(GM)社が詳細を明らかにするプラグインハイブリッド車(PHEV)「Volt」の次世代モデルだ(関連記事)。VoltはGM社が2010年に発売したPHEVで、今回大幅に改良する。電動車両にとって強烈な逆風が吹く中で、デトロイトに本社を構えるGM社のVoltはどのように受け入れられるのか。

図2 会場では急ピッチで準備が進む。
図2 会場では急ピッチで準備が進む。
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