展示した製品
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操作キーを大幅に減らした。手前が今回の製品、奥が従来の超音波診断装置の例
操作キーを大幅に減らした。手前が今回の製品、奥が従来の超音波診断装置の例
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針の位置が青く光っている
針の位置が青く光っている
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 コニカミノルタは、2014年4月11~13日に開催された「ITEM 2014」において、「ハンドキャリー型ながら高い分解能を備える」(同社)ことをうたう超音波診断装置「SONIMAGE HS1」を出展した。同社が2014年1月に事業統合したパナソニック ヘルスケアの超音波部門と共同開発した第1弾の製品(関連記事)。コニカミノルタとしては、今回の製品を皮切りに、超音波事業の展開を加速させる考えだ。

 コニカミノルタとパナソニックの技術を「うまく融合させることができた」(説明員)。具体的には、コニカミノルタが写真フィルムで培ってきた材料技術やX線画像診断分野で蓄積した画像処理技術と、パナソニック ヘルスケアが長い歴史を持つ超音波診断装置の技術を融合させた。

 超音波プローブには独自開発した音響材料を用いて高感度化と広帯域化の両立を図り、高次高調波を用いた「広帯域ハーモニックイメージング」によって従来よりも多くの信号を画像化に利用できるようにした。さらに、X線画像診断分野で培った画像処理技術「HS処理」を応用して組織の描出力を大幅に高めたとする。これにより、太さ数十μ~数百μm程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える画像を提供できるようになったという。なお、HS処理は、エッジ情報の抽出や選択的平滑化、濃度・コントラスト依存補正を行う CRシステムで使っている画像処理技術である。

針の位置を光らせて表示

 操作キーを8個に絞ったのも特徴だ。一般的な超音波診断装置では、操作キーは数十個あるが、画面上のタッチパネルを利用することで、キー数を大幅に減らした。

 穿刺針強調表示の機能も備える。神経ブロック注射や中心静脈穿刺でカテーテルを挿入する際には、針が目的部位に到達しているかどうかを超音波ガイド下で確認することがある。ただし、針が皮膚表面から急な角度で刺された場合、従来の方式では針の検出が困難だった。これに対して今回の穿刺針強調表示は、独自のアルゴリズムで針の位置を算出し画面上で光らせて針視認性を向上させる機能である。

 外形寸法は、369mm×452mm×90mm(モニターをたたんだ状態)。15インチのモニターを搭載する。2014年7月に発売する予定である。