連載主旨

 電子業界ほど、意外性のある多様な出来事が頻繁に起こる業界はありません。市場の形勢を一変させる新技術の登場、異業種からの唐突な事業参入、未知の新勢力の台頭、意外な組み合わせでの企業合併、突然の経営者の交代、電子業界ではびっくりするような出来事が、次々と起こります。

 その一方で、「Mooreの法則」や「ノイマン型コンピュータ」といった、長年にわたって電子産業を支えてきた大きなトレンドや基幹技術が、以前のような輝きを失いつつあります。電子産業の継続的な発展を約束する、新しい基軸の模索が始まっています。

 あらゆる“もの”と“こと”がデジタル化され、電子業界の変化の影響を受けない分野は、もはやこの世に存在しなくなりました。電子業界の出来事やトレンドの変化が、金融、医療、農業、教育、建設といった異業種の業界のかたちを大きく変えるインパクトを持っています。

 電子業界で次々に起こる出来事、大きな時代の流れ、そしてそれらの波及効果。こうした動きの意義、意味、背景、展開を正確に把握するためには、さまざまな視座、価値観から多角的に読み解く必要があります。一つのテーマを多様な視座から複眼的に捉えるコラム。それが「テクノ大喜利」です。

 「テクノ大喜利」は、専門性や立場の異なる複数の識者に同じお題を提示し、それぞれの知見や価値観、視座の違いを映した見解を提示していただき、それを横並びで見せるコラムです。お題となるテーマは、タイムリーなニュースや定期的に公表される統計資料、業界が総力を結集して取り組むべき課題などから選定します。識者の回答の中から、読者の皆様が気付かなかったような視点、直感を裏付ける論拠が得られるかも知れません。

 SCR大喜利はテクノ大喜利に変更いたしました。過去の連載はこちら