前回まで
東日本大震災で打撃を受けた「宮城県・気仙沼のサメ漁を盛り上げる」という社会的課題の解決を新規ビジネスの開発ターゲットに定めたかなりあ社中。漁船を改良する企画は振り出しに戻ったものの、築地市場で開催された水産業の見本市へのボランティア参加によって、新しい方向性が見えてきた。開発の取り組みは紆余曲折を経て、ついに本格化する気配が…。

 こんにちは。かなりあ社中の高橋です。社中のマネージャー役をやっているので、「ジャーマネ」と呼ばれています。今回は、飛び入り参加でコラムを執筆することになりました。

 なぜ、普段はコラムにタッチしていない僕が今回、コラムを書いているのか。それは、社中の重鎮、臼井のひと言がキッカケでした。

「日経テクノロジーオンラインの鬼編(鬼編集者)Fがね、カンカンなんだよ。コラムの原稿が届かないって。どうなってんだって。だからさ、そろそろジャーマネもよろしく頼むよ~。今日の会合については満場一致でジャーマネが記事にすることに決まりました!」

 こう悪のりしてきたバブリーおやじの臼井。

「いやぁ~、最近筆が止まっている塚モッチ(社中の塚本)の番ではないかな…」

 僕としては優しい塚モッチにうまく振って、ニコニコ(*^^*)しながらスルーしようと試みましたが、「ジャーマネも、そろそろ本格参戦する時期だと僕は思うな…」と、腹黒ヤマケイ(社中の山本)が真顔でとどめを刺しにくるではありませんか(さすがです…)。

 ということで、2015年3月4日夜にかなりあ社中が都内で開催した「サメを食す会」の様子を報告します。え? なぜ、サメを食す会かって? 気仙沼のサメに関連したビジネスを開発しているはずではないのか? しかも、前回のコラムから、かなり時間が飛んでいるではないかと?

サメを食す会の会場となった東京・神楽坂の中華料理店「縁香園(エンカエン)」
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 その通りです。それには、簡単には説明できないいろいろな理由があります。前回、臼井が報告した「Fish1グランプリ」。実は、その前後からこれまで、さまざまなプロジェクトが動き始めています。プロジェクトを通じてゆるくつながった仲間たちと、まずはサメを食べてみようと、「サメの街気仙沼構想推進協議会」の事務局長を務める高橋滉さん(中華食材大手「中華・高橋」の社長)のアレンジで今回の会を開催したのでした。

 僕が映画「ジョーズ」や水族館での観賞以外にサメと出合ったのは、25年ほど前になります。当時、従妹や兄弟、その友人の総勢20人くらいで毎年夏に千葉へ海水浴に出かけていました。お世話になった海の家のおっちゃんが漁師さんで、ご好意で地引網の体験イベントをセットしてくれることに。みんなで「エッサ!ホイサ!」と網を引上げ、さまざまな魚が上がってくる中に、体長40~50cmのサメがいました。