「iPhone 5c」は99米ドルから手に入る(写真:米Apple社)
「iPhone 5c」は99米ドルから手に入る(写真:米Apple社)
[画像のクリックで拡大表示]

米Apple社がスマートフォン「iPhone」シリーズの最新機種を2013年9月10日(米国時間)に発表した(関連記事1)。既存の製品ラインの「iPhone 5s」に加えて、廉価版の「iPhone 5c」を発売する。NTTドコモへの提供も新たに始める。この10年間、新需要の創造によって成長を続けてきたAppleが、いよいよ普通の事業戦略を取った。

 なぜAppleはiPhone 5cを製品ラインナップに加えたのか。

 同社は「iPod」「iPhone」「iPad」と立て続けにヒット商品を世に送り出してきた。他の多くの企業と違って、新しいユーザー体験をもたらす商品で、それまで存在しなかった大規模な需要を生み出して先行者利益を獲得している。それが今後も続くという期待が“Apple神話”と言われていた。

 しかし、テレビ関連商品「iTV」の噂はあってもiPadに続くヒット商品はまだ出てこない(関連記事2)。Apple神話は崩壊したとの見方が出ている。株式市場を見ると、2012年終わりごろから同社の株価は相対的に下がり、「既に神話は存在しない」前提で動いているようだ(関連記事3)。