社内失業は、オヤジ世代の逃げ切り社員?

 それは、当日のゲストと事前に対話しておくことです。前述した社内失業家ふぇのイベントでは、5人のゲストに参加していただきました。社内失業について取り上げた書籍『社内失業――企業に捨てられた正社員』(双葉新書)の著者である増田不三雄さんや、「働きがいのある会社」の調査を手掛ける「Great Place to Work」を日本で運営する和田彰さん、『幸福途上国ニッポン――新しい国に生まれかわるための提言』(アスペクト)の著者である目崎雅昭さん。

 さらに社会起業家として実際に活躍中の2人、「ハタモク」という学生と企業人が対話する場のコーディネートを務める與良昌浩さん、そしてNPO(非営利組織)やCSR(企業の社会的責任)に関連した支援を積極的に行いながら社会起業大学の講師を務めている鷹野秀征さんが加わりました。

 ゲストは、当日の対話の外枠を形づくる大切な方々。そして、いつも本当に申しわけないと思っているのですが、ゲストのみなさんにも無報酬で参加していただいています。それだけに、ゲストの方たちが普段大切にしていることや、当日に何を話していただくかなど、できるだけイベントの意味を共有することはとても大切です。主催者としては、ゲストと事前に対話することから既にイベントは始まっているということになります。

 「社内失業家ふぇ」のイベントには、休日にも関わらず40人ほどに参加していただき、関心の高さを感じました。身近な社会問題になりつつあるのでしょう。前々回も少し紹介しましたが、「社内失業」という言葉にはさまざまな定義があります。どちらかといえば、「オヤジ世代の逃げ切り社員」「社内フリーターの不届き者」などなど、個人の問題としてネガティブに捉えられることが多いのが実情でしょう。