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エディターズ・ノート

アイデア倒れで写真がボツ

  • 木崎 健太郎=日経ものづくり
  • 2012/04/26 10:30
  • 1/1ページ

 もう前号のことで恐縮ですが、「日経ものづくり」2012年4月号の「多視済済」はホームドア(可動式ホーム柵)がテーマでした。ホームドアは列車と乗客を物理的に隔離するためのもので、本質的に安全性を高める装置です。ところが、導入についてはいろいろなハードルがあります。その最大のものの1つが、3ドア、4ドアなど異なったドア数の車両にどう対応するか(本当は、技術面以外のハードルも結構面白かったりしますが)。この解決案について、2通りのアイデアを紹介しました。

 記事を構成する上で、アイデアを紹介する部分はそれほど難しくありません。問題は「ドア数が異なる車両への対応が厄介な課題である」ことをどう視覚的に訴えるか。文字で書いても分かるといえば分かることですが、多視済済はビジュアル重視のコーナーなので、図や写真でぱっと分かるようにしなければなりません。それを、最初のうちは写真でなんとかしようと考えました。

 とはいえ、単にホームドアの写真を撮っても仕方がありません。まずは、3ドアと4ドアなどの車両が混在する線区でドア位置の差を示す写真を撮ろうかと考えました。そのような線区としては、西武線、東海道線、東急東横線などが考えられます(とりあえず、特急用車両は除外して考えました)。

図1●西武国分寺線(左が3ドア、右が4ドア)
図2●東海道線(左が3ドア、右が4ドア)

 このように、一応撮影してみましたが、どうもぱっとしません。これでも、隣のホームから撮ったり、改札外に出たりと、カメラ位置はかなり苦労しています。ホームの向こう側に停車する列車をカメラで狙う場合は、ホームの手前に別の列車が入って視界をふさがれてしまう可能性につねにさらされています。ホームの向こう側に列車が入って手前にはいないという条件を、2回(3ドア車と4ドア車)分待たなくてはいけません。時間もかかりますが、そこまで苦労してもこの程度の写真…(さらに、本来ならばその間、3脚でカメラを固定する必要があります)。

 理想的には、「4ドア向けのホームドアのところに3ドア車が来て、ドアが開かない状況」といったものを撮影できれば、最も説明に役立つはずです。いくらなんでもそんな場所があるはずがない、と思っていたところに、O編集長の一言。「西武新宿線の高田馬場駅では、朝の時間帯の上り列車は両側のドアを開けますけど、進行方向右側(3-4番ホーム)にはホームドアがあるので3ドア車は左側しか開けないんですよ」。

 おそらく、そんな(4ドア車用のホームドアに3ドア車が停車する)写真が撮れるところは日本でもここぐらいしかないのではないでしょうか。「これだ」と思って高田馬場駅まで下見に行きました。そこで撮影したのがこの写真。JR山手線のホームから狙いました。3ドア車がなかなか来なかったので、とりあえず4ドア車です(夜間なので、3-4番線ホームのホームドアは開きません)。

図3●高田馬場駅の西武線ホーム
単に夜の駅の写真にしか見えない…
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 残念ながら、どうひいき目に見ても意味のある写真とはいえません。仮に3ドア車だったとしても、手前に乗客が多すぎて車両のドアやホームドアの境界位置が非常に分かりにくい。ただしこのホームは、実は柱が多く、乗客の少ない状況でも柱が障害になってしまいます。

 機会を改めて撮影しようかとも思いましたが、柱以外にも2つの理由であきらめました。まず、西武新宿線の本線は既に3ドア車がかなり少なくなっているため、撮影のチャンスが非常に限られるであろうこと(ダイヤ情報までは調べてません)。もう1つは、そこまで待ったとしても、前述のように他の列車にかぶられる可能性が高いこと。高田馬場駅のJR線ホームと西武線ホームの間には、JR側から山手線内回り、埼京線下り、同上り、西武新宿線下りと4本もの線路があります。埼京線の線路は列車が通過するだけとはいえ、15両編成の湘南新宿ラインといった長い列車も来るため、シャッターチャンスを逃してしまうだけの通過時間はあるのです。

 さて困り果てた、と思っていたら、NデスクとIデザイナが事もなげに言いました。

  「イラストか図を使えば、いいじゃないですか」

 …結局のところ、原稿を出したあとは非常にスムーズな進行でした。

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