前回の続きである。思えば,最近は,あまり半導体製造装置や太陽電池業界を斬らずに,キャリア系のネタばかり書いている。ハイテク系の決算ネタの方が,はるかに楽に書けるのだが……。

1人でも「参考になった」「頑張ろうと思った」と言ってくれれば十分

 私もかなりの時間を使ってこの記事を書いているし,日経BPさんのサーバーのリソースもそれなりに消費してしまっているだろう。しかし,それでも,この記事を見て刺激になった人が1人でもいて,社会人生活が多少なりとも実り豊かになれば,または一念発起して「ここから死ぬ気で頑張ろう」と思ってくれれば,私や日経BPさんが使った時間とリソースは十分に元が取れる。それどころかお釣がたくさん来る。

 そのくらい,人の才能,可能性は偉大だし,人生は計り知れない重みがある。最大限,大切に扱われて然るべきである。であるのに,企業の一部のマネジメントが,いかに若手や部下の人生を軽く扱っていることか。

 前回のタイトル「自分の人生を取り戻そう」は,そういう方々や組織から,人生の決定権を自分の側に少しでも引き寄せよう,というメッセージである。

王道なきキャリア・アップの極め方

 「頑張ったのに報われない」「ここまでやってきたことは何だったんだ」などという後悔をしないために,可能性に満ちた20代は,寸暇を惜しんでまずは仕事,場合によっては自己啓発,技能試験,資格試験などに挑戦してほしいと,私は思っている。

 もちろん,両方できちんと結果を出すのは,簡単ではない。では,どうすればよいのか。そのための必勝法,ノウハウを,ここに記したい。なんか,完全に私のコラムのタイトルから逸脱しているが,だからこそ,冒頭の書き出しなのである(笑)。日経BPさんには,少し大目に見てもらえるとありがたい。

 前回の記事で「具体例を交えてはどうか」というアドバイスも頂いたので,ありがたく,なるべく,友人達の体験・経験などもベースにした上で,記事を書かせていただく。

(1)遂に立ち上がった! その日にすべき2つのこと

 さて,あなたは遂に,大いなる志を胸に,立ち上がった。「不退転の決意で思い切った自己啓発! 仕事も手を抜かない!」。心でそう叫んだ,この段階で必ずやっておくべきことが,2つある。これは机の前に座ったままでもできることである。

 まず1点目。この日,自分の現状を全部把握した上で,納得した上で,自分で勉強を始めたのである。仕事が,「超」がつくほど忙しい人もいるだろう。でも,この段階では,忙しいのも納得ずくで決心したのである。後々,試験合格や資格取得などの成果が出るまで,絶対に「忙しいから」という言い訳を自分に許して,勉学を疎かにしないと誓うこと。「No Excuse」である。

 次に,そうは言っても,人間の性(さが)をわきまえること。人間の緊張感は時間の経過と共に必ず低下する。初志は必ず揺らぐのである。そのことを計算に入れた上で,持続性のある学習計画を立て,努力が続くような仕掛けを考えることである。