よしそれだ、ということで、日本の農耕地はどうなっているのかを調べてみた。『平成17年田畑売買価格等に関する調査結果(要旨)』(全国農業会議所)によれば、純農業地域の農用地区域の農地価格(全国平均)は、中田(収量や生産条件等が標準的な田)価格が15万5300円(1a(アール)=100m2当たり、以下同じ)で前年比2.5%の下落、中畑(収量や生産条件等が標準的な畑)価格が10万7100円で2.4%下落しているものの、その下落率は前年(中田-3.1%、中畑-3.7%)より小さくなっている。

 価格の下落要因だが、中田では「米価など農産物価格の低迷」(39.9%)が最も多く、次いで、農業に対する先行き見通しが立たないことなどによる「農地の買い手の減少」(17.2%)、「生産意欲の減退」(16.8%)などが挙げられている。中畑では「農地の買い手の減少」(25.3%)が最も多く、「生産意欲の減退」(18.5%)、「農産物価格の低迷」(15.9%)と続く。けれど、本当に10年後には北海道でなければおいしい米が穫れなくなるのだとしたら、この土地代は高騰するだろう。

 それを見越したところで、今なら北海道の農地をいくらで買えるのかを同じ調査報告書で調べてみた。それによれば、全国平均は15万5300円/aだが、北海道は2万9700円/aと格安だ。ちなみに関東は、「農地の買い手の減少」などの要因によって都市的農業地域の農地価格が13年連続で下落しているにもかかわらず、北海道の約10倍、20万2900円/aとなっている。

 よし買おう。ところで自給自足が可能な農地面積はどのくらいなのか。専門家が聞けば「だから素人は」とか笑われそうだが、10年後の生活がかかっているわけだから、知恵を絞って皮算用してみた。

 自給自足に必要な土地面積は、1食あたりの米150g×3食×365日で年間約150kg、1a当たりの米収穫量を3kgぐらいとすれば50a程度、つまり北海道なら148万5000円ということになる。これに加え、おかずの卵、野菜、果物などを作る面積を同じ面積と想定すれば、価格は倍になり約300万円、夫婦で約600万円、子供が2名の4人家族では約1200万円てな感じか。それに住宅費、農耕機材設備費はとりあえずリサイクル利用するとしてプラス400万円を見込もう。とすれば、ざっと1600万円あれば北海道の4人家族の自給自足生活のメドが立つのではあるまいか。

 北海道にこだわる理由は米だけではない。こどもニュースはこんな怖いことも予言している。

 「(温暖化により蚊の越冬が日本国内でも可能になり)南の国で流行しているマラリアのような危険な病気が、日本でも流行するようになる心配があります。事実、日本では住めないと言われていた熱帯の毒グモ=セアカゴケグモが日本に住み着いていたことがわかっています」

 貧しい食生活を送る日々が訪れるだけではない。これまでいなかった蚊(ハマダラカ、下図)が繁殖して、油断してるとチクっとやられてマラリアになってしまうというのである。そんな「プ~ン」という寝苦しい夜に一番頭に来る見えない敵、蚊に怯える日が来るらしい。対応策は蚊が越冬できない寒い冬の来る北国に移住するしかない。北海道に移住する理由その2である。


(画像のクリックで拡大)

 この蚊の特徴はチクッとやるときに尻上がりポーズをとることだ。もしチクッと来たら落ち着いて観察しよう。もし尻上がりで血を吸っていたらハマダラだ、一目散に血清のある病院に向かおう。こんな嫌なやつのくせにアフリカあたりの切手のモデルになっている憎いやつらだ。

 ところで、マラリアってそんなに怖いのか。さっそくWikipediaで調べてみた。「マラリア」の記事から、ざっとかいつまんで箇条書きにしてみると、こんなに恐ろしいやつだとわかる。

・熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症。高熱や頭痛、吐き気などの症状を呈する。悪性の場合は意識障害や腎不全などを起こし死亡する。
・マラリア原虫は脊椎動物で無性生殖を、昆虫で有性生殖を行う。蚊に吸血される際に大量の原虫が体内に送り込まれることになる。
・マラリア原虫を媒介するのはハマダラカで近年は殺虫剤に耐性を持つハマダラカや、薬剤に耐性のあるマラリア原虫が現れていることが問題になっている。
・現在では絶滅しているが熱帯熱マラリアが増加傾向にある。現在4類感染症に指定されている。
・熱帯、亜熱帯地域の70ヶ国以上に分布している。全世界で年間3~5億人、累計で約8億人の患者、100~150万人の死者があると報告されている。もっとも影響が甚大な地域はサハラ砂漠以南のアフリカ諸国である。
・脳マラリア原虫が寄生した赤血球が脳内の血管などの微細な血管に詰まり血流を阻害することにより発生する。意識低下、言語のもつれなどの神経症状が起こる。進行すると昏睡状態に陥り、死亡する。
・予防方法は殺虫剤や虫除けスプレー、夜間は蚊帳で防ぐか抗マラリア薬の予防投与も行われる。

 マラリアで死んだ有名人の欄を見ると、そうそうたる歴史的人物が名を連らねられていた…(次のページへ