マラリアで死んだ有名人の欄を見ると、そうそうたる歴史的人物が名を連らねられていた。アレクサンダー大王、一休宗純、平清盛、ハリマオ!

 おおおー、われらが少年期のスーパーヒーロー「ハリマオ」って実在していたのか。でもあんな強ーい方でもマラリアにやられちゃったのだ。そのことを少年のころ知らなくてよかった。さぞかし人生を変えるほどの幻滅を味わっていたに違いないのだ。だって、そうだろう。仮面ライダーやショッカーが撮影中に蚊に刺され、高熱を出して寝込んでいたり、ウルトラマンが隔離病棟で看護婦から特大の注射をされてるシーンとかがニュースで流れたら、今日の少年少女だってがっかりするに違いないのだ。

 さらには、関連項目に有吉佐和子の名もある。彼女はニューギニアでマラリアに感染、その顛末が『女二人のニューギニア』に描かれているそうだ。「複合汚染」があれだけぞっとする小説だったからして、いま読めばもっとチクリ恐怖の臨場感を味わいながら生まれて初めての生きるか死ぬかの読書を味わえるに違いない。よしさっそく読んでみよう。

 もちろん、蚊だけじゃない。セアカゴケグモ(下図)の襲来もあるという。その毒性は死に至る例は非常に少ないらしいが、Wikipedia同名の記事によると、咬まれた部位は、ちくっとした痛みや激しい痛みを感じる。その後、咬まれた場所が腫れ、痛み、発汗、発熱などが現れる。手当てが遅れると毒素の効果により皮膚が腐っていくことがあるらしい。


(画像のクリックで拡大)

 特徴は名前の通り背中に赤いちょうちんマークがある。小指の爪サイズなので見つけにくいがとにかく赤マークがあるクモがいたら緊急回避だ。

 幼少の頃みた『吸血原子蜘蛛』の恐怖が甦ってくる。1958年モノクロのアメリカ映画でやたら動きの遅いぬいぐるみっぽい目だけギョロついた巨大クモにゆっくりと人間が食われるシーンが印象的だった。悪のりではあるが、さらに怖かったクモ物語はコリン・ウィルソン著『スパイダー・ワールド』。知能を持ったクモに人間が支配される恐怖を描いたSF小説である。

 もっと現実的に怖い情報がある。Wikipediaの記事を読むと、このクモは東南アジアやオーストラリアなど熱帯から亜熱帯を中心に生息していたもの。だが今や、日本でも越冬して発生を繰り返しているとの見方が有力で、近年外来種は増加傾向にある。ハイイロゴケグモ・ジュウサンボシゴケグモ・マダラヒメグモなどが確認されているという。

 つまり今後は、他種の毒クモも続々と外来種として日本に上陸、温暖化された日本各地であちこちで見受けられるようになる。もし強力な毒グモ、たとえばジュウサンボシゴケグモ(ヨーロッパ南部)みたいな凶悪なやつが便乗上陸してきたら、相当にヤバい。上記記事によれば、コイツに咬まれると、各部リンパ節が痛み、腹筋の硬直、多量の汗、涙、唾液が出、血圧上昇、呼吸困難、言語障害などが起き、回復しない場合は2~3日後に死亡するという。クモは蚊など人間の害虫を食べてくれるから益虫だと小学校の頃教わったんだがなぁ。そういえば。

 念のために、ゴケグモ咬症の抗血清のある病院を携帯アドレスに入れておこう。詳しくは、こちらに紹介されている。

読者の方へ
この連載では“起業案100を書きなぐる”をマラソンしてみようと思います。
身の回りの体験をヒントに脳裏に浮かぶ起業空想ロマンを書きなぐりしてみようと思うのです。
「人気がないから今回まで」と編集担当者が言えばそれまでですが、インターネット時代だから続きは我輩のサイトで行う所存でございます。