趣旨
昨今,製造業各社は,環境対応や品質問題によるリコール対応にてんてこ舞い。こうした問題に対応するには,製品の基礎情報整備が必須となる。これが「製造業はPLM(Product Lifecycle Management)経営を実践せねばならぬ」という背景にある。しかしPLM経営を実行することは,とてもハードルが高いように感じる方が大半。そんな大げさなシステムを入れなくてはならないのか,大規模にデータやコード体系を改めなくてはならないのか,といった議論になってしまう。
実はPLMの基本は,部品情報と製品を組成する部品の組み合わせ情報を管理することに過ぎない。ごくシンプルな仕事の仕方だ。コツは要るが,それほど難しくない。部品情報と部品の組み合わせ情報は正にBOM(部品表)の世界であり,これらを整理整頓するだけなのだ。
本連載では,直近に製造業で起きた事件・課題の解決を,BOMの世界から具体的にどのように解いていくのか,製造業で実際にものづくりに従事していた筆者の言葉で解説していく。
松永恒
ネクステック株式会社テクノロジー・ディベロップメント部ソリューション開発グループマネジャー
1974年生まれ。
九州大学大学院工学研究科機械工学専攻を卒業後,総合輸送機器メーカーの生産技術部門にて,航空機の組立工程計画・現場支援、工程計画システムの開発を行う。その後,製造業向けコンサルティングファーム,ネクステックに入社しコンサルタントに転身。現在は,機械装置・情報機器産業を中心として,モジュール化・部材標準化を目的とした部品表活用コンサルティング・システム企画導入に従事。日々のコンサルティングを通じて,現場から生まれる部品表を中心とした問題解決方法論の開発に努めている。

松本純樹
ネクステック株式会社テクノロジー・ディベロップメント部ソリューション開発グループマネジャー 1974年生まれ。
九州大学大学院工学研究科機械工学専攻を卒業後,総合輸送機器メーカーの生産技術部門にて,航空機の組立工程計画・現場支援、工程計画システムの開発を行う。その後,製造業向けコンサルティングファーム,ネクステックに入社しコンサルタントに転身。現在は,機械装置・情報機器産業を中心として,モジュール化・部材標準化を目的とした部品表活用コンサルティング・システム企画導入に従事。日々のコンサルティングを通じて,現場から生まれる部品表を中心とした問題解決方法論の開発に努めている。