米電気電子技術者協会(IEEE)は12月18日、同協会が主宰するイニシアチブ「IEEE スマートビレッジ」(ISV)が合計120万ドルを太陽光発電や蓄電池を活用した持続可能エネルギー・プロジェクト7件に寄付したと発表した。
これらのプロジェクトは、社会インフラが整備されていない未電化地域に電力インフラを整備することで児童の教育や起業の機会を提供することを目的としており、最大700万人の生活を大幅に改善する可能性があるという。
今回採択されたプロジェクトの実施国は、ナイジェリア(2件)、ウガンダ、カメルーン(2件)、インド、パプアニューギニアの5か国である(表)。
国 | プロジェクト名 |
---|---|
ウガンダ | Africa Development Promise |
ナイジェリア | Green Village Electricity Project Limited |
パプアニューギニア | PNG Community Transformation Center |
インド | Shakti Empowerment Solutions |
ナイジェリア | Shaybis Nigeria, Ltd. |
カメルーン | Renewable Energy Innovators - Cameroon |
カメルーン | Torchbearer Foundation dba Igniting Africa |
プロジェクトの内容は、太陽光による直流・交流マイクログリッド、次世代ポータブル蓄電池キット、ローカル・コンピューター・サーバーおよびイントラネット・デリバリーシステム、広範囲無線LAN、ポータブル食品加工器など。
各プロジェクトの内容は実施場所や状況、目的などによって差異があるものの、いずれも電力源としてオフグリッドの太陽光発電を活用する点ではほぼ共通している。
ISVが資金援助を行ってきた過去のプロジェクトで、これまでに7万人以上が恩恵を受け、同イニシアチブのビジネスモデルの有効性が証明されているという。IEEEがグローバル規模でアクセスできるボランティア、技術者、教育関係者、資金提供者が、クリーンエネルギーを開発し、教育や事業の機会で活用する。将来的に、2025年までに世界中で5000万人以上に貢献できると見込む。
ISVイニシアチブのRay Larsen会長は、「世界中で何億人もの人々がいまだに未電化の環境におかれている。『IEEEスマートビレッジ』は、そうした状況を大幅に改善することが狙いだ。国際連合の『持続可能な開発のための目標(SDG)』に貢献し、2030年までに最悪の貧困を撲滅したい」と述べている(関連記事)。