アジアにおける電子設計技術に関する国際学会「ASP-DAC 2017(22nd Asia and South Pacific Design Automation Conference)」(ホームページ)が2017年1月16日~19日に千葉県幕張メッセで開催される。IC設計者や設計技術の研究者、EDA技術者などをターゲットにした学会である。

 ASP-DAC 2017では100件を超える一般論文に加えて、6件のチュートリアル、3件のキーノート、4セッションのデザイナーズフォーラム、4つのスペシャルセッションといった特別メニューが用意されている。それらの概要は以下の通りである。

初日に6件のチュートリアル

 初日(16日)に行われるチュートリアルは、次の6件で、参加者は6件の中から任意の3件を聴講できるスケジュールになっている。

  • 1. ボード間やラック間などの配線を光で置き換えるシリコンフォトニクス技術
     国プロPETRAなどで実施中の最新の光電変換技術をはじめ、光集積回路のいろはを解説する。
  • 2. AI研究開発に必須の各種技術
     省エネな機械学習技術、深層学習のニューラルネット(NN)ハードウエアを実現するコデザイン技術、画像/音声認識用NNハードウエア、脳と電子回路を直接接続するBMIなどを解説する。
  • 3. ファーストシリコンを完動させるためのエミュレーションによる検証技術
     米IBM社の「POWER8」の開発事例を元に、「Exerciser」と呼ぶ同社の検証技術の詳細が解説される。
  • 4. デジタル技術者が設計できる合成可能なオールデジタルPLLの設計手法
     東京工業大学 准教授の岡田 健一氏が、最新のPLL合成技術を解説する。
  • 5. 偽造品やハードウエアに隠されたトロイの木馬に対抗するための最新技術
     自社のIPコアの偽造を防ぎ、他社からのIPコアにまぎれ込むトロイの木馬を容易に発見可能な技術を解説する。
  • 6. 最新の信頼性問題とニューラルネットを用いた長期信頼性予測技術
     エレクトロマイグレーション、BTI、ばらつきなどの信頼性問題の基礎を解説し、メニーコアシステムなどの最新集積回路における対応策も紹介する。