「照明器具による事故件数は減少しているが、火災件数は減っていない」。製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センターは、照明器具による火災が増えてきているとして注意喚起を行った(ニュースリリース)。

投光器、2分で500℃に達して発火


 照明による事故としては、2016年11月6日に「TOKYO DESIGN WEEK 2016」で発生した火災事故が記憶に新しい。明治神宮外苑で開催中のイベントで展示物が燃え、5歳の男児が死亡したというもの。この展示物は、木製のジャングルジム状の枠に多量のおがくずなどを付着させたもので、照明に使っていた白熱電球の投光器の熱によっておがくずが燃えたという事故だった。NITEではこの事故を模擬して投光器の周囲の温度上昇を調べる実験も行った。
図1 投光器による実験
[画像のクリックで拡大表示]
図1 投光器による実験
450Wのレフランプを備えた投光器にかんなくずをかぶせて点灯させた。写真左は実験に用いた投光器と同型の製品。同右は点灯から2分ほどの様子。500℃以上に達している。

 実験では450Wのレフランプを内蔵する投光器をかんなくずで覆って点灯させた。その結果、点灯からわずか25秒で発煙。このとき、電球部を覆う金属線のガード部の温度は250℃に達していたという。さらに2分5秒後には同部の温度は500℃以上に達し、発火に至った。