ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所は、米Google社の持ち株会社である米Alphabet社の自動運転研究開発子会社Waymo社と、米国で自動運転領域の共同研究に向けた検討を始めた。具体的には、ホンダが提供する車両にWaymo社の自動運転用センサーやソフトウエア、車載コンピューターを搭載し、共同で、米国での実証実験に使用する。

 両社の実験車両は、Waymo社が現在米国の4つの都市(カリフォルニア州マウンテンビュー、テキサス州オースティン、ワシントン州カークランド、アリゾナ州フェニックス)で、実施している公道実験用の車両に加える形で使用される。

 ホンダは従来から独自に自動運転技術の開発を進め、2020年に高速道路での自動運転を実用化することを目指しているが、今回Waymo社と進める共同研究は、これとは別個に並行して進めることを想定する。ホンダはWaymo社と共同研究する理由として「完全自動運転の実現に向けて、異なる技術アプローチを採るWaymo社と共同研究をすることにより、研究開発の幅を広げ、より早くゴールに到達するため」と説明する。

 ただ現在は、共同研究に向けた検討を始めることに関して覚書を交わした段階で、具体的な共同研究の詳細については今後の協議で内容を詰めることにしており、現時点では未定だとしている。

 Waymo社は現在、Fiat Chrysler Automobiles(FCA)グループとも自動運転技術に関して提携しており、FCAから自動運転用車両の提供を受け、100台の自動運転実験車両をFCAの技術者と共同で製作し、今後公道実験に使用する予定だ。FCAとの協業との違いについても「FCAとWaymo社の提携の詳細を知らないので答えられない」(ホンダ広報部)との立場だ。