経済産業省は12月13日、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG)を開催し、東北北部エリアの再生可能エネルギーの接続を工事費負担金の単価よる入札で決める「募集プロセス」の結果を公表した。優先系統連系希望者として決まった合計容量353万kWのうち212万kWを洋上風力が占めた。

 東北北部エリアは、ローカル系統の容量が不足し、再生エネ電源を接続できない状態が続いている。そこで、同地域で系統接続を希望する事業者を募り、50万V送電線の整備などの系統増強工事の費用を共同で負担するプロセスが2016年10月に始まっていた。

 今回、決定した優先系統連系希望者は、353万kW(85件)となった。内訳は、洋上風力・212万kW(15件)、陸上風力・127万kW(27件)、太陽光・2万kW(3件)、その他再エネ・12万kW(40件)――。

決定した優先系統連系希望者の内訳
決定した優先系統連系希望者の内訳
(出所:東北電力)
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 秋田県と青森県では、洋上も含め、1件当たりの出力規模の大きい風力の新規開発が進んでおり、比較的高い売電単価と設備利用率を期待できることなどが、相対的に高い負担金でも事業性を確保できる背景にありそうだ。ただ、一般海域利用ルールを活用する洋上風力については、入札制度に移行するため、募集プロセスで連系枠を得たとしても、事業化や事業性には不確定要素が残っている。

 今回の募集プロセスの合計連系容量に関しては、風力の割合が大きく北部への接続が多い場合は3.5GW程度、風力と太陽光の割合が申し込みに比例した場合は4GW程度、太陽光の割合が大きく北部への接続が少ない場合は4.5GWとなっていた。今回決まった優先連系希望者に、青森と秋田に立地する洋上・陸上の風力が多かったことから、3.5GWとなった。

青森・秋田に洋上・陸上風力の連系量が多くなる
青森・秋田に洋上・陸上風力の連系量が多くなる
(出所:東北電力)
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 東北電力は、今回決まった優先連系希望者について、再接続検討を実施し、2019年3月下旬ごろまでに回答する予定だ。これを受け、優先連系希望者は、2019年4月上旬から5月下旬ころまでに、共同負担の意思を表明し、保証金振込、契約締結などの手続きという日程になる。