2016年12月、冬の冷たい風が吹く横浜に27台の車両が集結した(図1)。鮮やかな黄色や赤色の車両に目を引かれ、沿道を歩く人々が車両へと歩み寄る。これは、日本流行色協会が主催する「オートカラーアウォード2016」の一幕。その年最も’’優れた色’’のクルマがここで決まる。1998年から毎年開催しており、今年で19回目を数える。2014年はスズキの「ハスラー」、2015年は同社の「アルトラパン」がグランプリを受賞しており、スズキの3連覇がかかっていた。

図1 オートカラーアウォード2016のノミネート車両展示
図1 オートカラーアウォード2016のノミネート車両展示
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 オートカラーアウォードは、公道で走行可能な全ての車両を審査対象にしており、2016年は14のカラーデザインがノミネートされた(図2)。最も’’優れた色’’のクルマに与えられるグランプリは、一般審査委員、自動車色彩文化会審査委員、オートカラーアウォード審査委員から成る審査委員会が投票して決める。車両の評価項目は、(1)色・素材・加工(CMF:Color、Material、Finish)の美しさに加え、(2)市場への影響力、(3)企画や発想力、(4)他業種の手本となるか、(5)従来に無い色への挑戦、(6)新技術の使用――など。

図2 オートカラーアウォード2016のノミネート車両
図2 オートカラーアウォード2016のノミネート車両
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