モーションキャプチャシステムの試作機の利用イメージ
モーションキャプチャシステムの試作機の利用イメージ
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 東京工科大学コンピュータサイエンス学部 教授の松下宗一郎氏らの研究チームは、腕時計サイズの小型軽量で日常生活でも利用できる、高精度なモーションキャプチャシステムの開発に成功したと発表した。医療分野などへの活用に向け、同大学の医療保健学部などと共同で実証実験を始めた。

 同研究チームは、角速度センサーの姿勢角を9個のベクトルで表すことで、基準位置からの姿勢角変動を非常に少ない計算量で求める方法を開発。消費電力の少ない超小型マイクロコンピュータでの処理が可能となったほか、センサー出力特性の時間・温度変動についても、アプリケーションへの影響を最小限度に抑えられるという。

 試作段階では、腕時計サイズで重さ約60g以下という小型軽量設計を実現し、コスト面でも数千円程度の原価に留めたとのこと。小型の充電池で長時間(4~8時間程度)使用できる。

 これにより、外科手術における手の操作をモニタリングして手術技量を客観的に評価したり、日常生活での身体運動リハビリテーションをモニタリングしたりするといった応用が可能になるとみる。

 医療分野以外についても、スポーツや楽器演奏における身体運動のモニタリングなど、幅広い応用の可能性を検証していく。