約7割の建物を建て替えた
約7割の建物を建て替えた
(出所:JR東海)
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 東海旅客鉄道(JR東海)は11月25日、浜松工場(浜松市中区)のリニューアルのうち、建物の建て替えなどが概ね完了したと発表した。建て替えた建物の屋根の一部には、太陽光発電システムを導入した。

 浜松工場は、新幹線の車両の定期検査(全般検査)などを担っている。この定期検査は、走行期間が36カ月、または走行距離が120万km以内に実施する。

 大正元年(1912年)に創設されて以降、既存の建物を最大限に活用してきたが、建物の耐震化や、より効率的な検修(検査・修繕)ラインの構築などを目的にリニューアルしている。

 新幹線車両の定期検査を妨げずに工事するため、2010年7月から、6年間以上かけて工事を進めた。現在の建物の撤去など、リニューアル工事全体は2019年3月までに完了する。

 新たな検修ラインによる定期検査は、2017年1月5日に開始する。

 全体の約7割の建物を建て替えた。大きな地震が発生した場合でも、新幹線が長期間、不通になることのないような定期検査の機能を維持するためである。建て替えなかった建物についても、2018年夏ころまでに補強を施し、耐震性を向上させる予定としている。

 建て替えた建物の屋上の一部には、太陽光発電システムを導入した。設置面積は約2100m2で、出力は約300kWとなっている。年間発電量は、約46万kWhを見込んでいる。

 導入した太陽光発電システムによる発電電力は、全量を同工場内で使う。太陽光発電は、9月に開始している。

 また、定期検査の日数を現在の15日から1日短縮できるようにした。建物の配置を見直すことで、これまで複雑な動きをしていた車体や部品の検修ラインを効率的な流れにし、検修ラインを一方向化した。

 このほか、人力に頼ってきた作業を機械化した。特に、車両の先頭部を研ぐ作業では、新幹線では初となるロボット(日本車輌製造・パナソニック環境エンジニアリング製)を導入した。