経済産業省・資源エネルギー庁は11月21日、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で太陽光発電設備の放置・不法投棄対策を検討し、廃棄費用を源泉徴収方式で積み立てる制度の有効性が示された。

 現在、固定価格買取制度(FIT)では、買取価格の算定に廃棄費用を含めており、発電事業者が事業終了に備えて廃棄費用を積み立てる「内部積み立て」を義務化している。だが、積み立ての水準や時期は各事業者に委ねられるため、実際に必要な時期に廃棄費用が確保されるか懸念されている。

廃棄パネルの適正な処理の流れ
廃棄パネルの適正な処理の流れ
(出所:経済産業省)
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 そこで、廃棄費用の確実な積み立てを担保する仕組みとして、第三者機関で積み立てを行う「外部積み立て」が議論された。

 事務局(経産省)の案では、「外部積み立て」には、(1)発電事業者が外部に積み立てる方式と、(2)発電事業者の売電収入から積立金を差し引き、費用負担調整機関が源泉徴収的に積み立てる方式の2タイプあるとし、資金確保の実効性の面から、(2)の源泉徴収方式が適切とした。

 ただ、「外部積み立て」の課題として、事業者が柔軟に資金運用できないため、例えば、故障箇所だけをリプレースするような再投資がしにくいなど、長期安定電源としての効率的な運用に不利になる側面も示した。そこで、「廃棄費用が確実に確保される蓋然性が高く、長期安定電源の責任・能力を担うことが可能と認められる事業者に対しては、内部積み立てを認めるという方策も考えられる」とした。
 
 今後、源泉徴収型の「外部積み立て」を基本に、どんな要件を備えた場合に「内部積み立て」を認めるかなど、詳細な制度設計が進められることになりそうだ。

「外部積み立て」と「内部積み立て」の論点
「外部積み立て」と「内部積み立て」の論点
(出所:経産省)
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