1500V・3.2MW機の生産も開始

 同社の北米での売り上げは2016年度・約20億円で、2017年度は約50億円を見込んでいる。生産力の増強を機に、2020年度には約100億円に引き上げる計画で、このうち約7割を太陽光発電用PCSが占めることを想定している。

 北米のメガソーラー市場では、PCSの大容量化と直流回路の高電圧化が進んでおり、ケーティ新工場では、現在、直流1500V仕様の2.7MW機を主力に生産・出荷を開始しており、2017年度下期からは、1500V仕様の3.2MW機の生産・出荷を開始する。

 TMEICの菊池秀彦副社長は、「太陽光の発電コストが下ってきたことで、税制優遇などの支援制度が終わっても北米の太陽光市場は持続的に推移する。北米市場は技術面で世界をリードしており、こうした先端市場で現地生産し、トップシェアを争うことが、パワーエレクトロニクスのリーディングカンパニーとして地位を固めることになる」と話す。

 新工場では、パワー半導体(IGBT)と制御回路基板については、日本の工場で生産したものを使い、現地調達部品も採用して組み立てている。「基幹部品を日本から調達することで、日本で製造した製品と同じ品質を維持できる。生産品目の絞り込みや作業工程の工夫などで生産性も日本の工場に近い水準を実現している」(TMPEの吉村誠社長)という。