移動式PVラボの見学
移動式PVラボの見学
(出所:日経BP)
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箱型の荷台という狭い空間のため、数人ずつ交代で見学
箱型の荷台という狭い空間のため、数人ずつ交代で見学
(出所:日経BP)
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セミナーの様子
セミナーの様子
(出所:日経BP)
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 太陽光パネルの信頼性評価サービスなどを手掛けるケミトックス(東京都大田区)は10月26日、パネル出荷前に工場で行う測定方法を、発電所の現地で実施できる「移動式PVラボ」の公開イベントを、山梨県甲府市において開催した。

 結晶シリコン型太陽光パネルに対して、標準的な試験状態を指す「STC(Standard Test Conditions)」によるI-V(電流・電圧)特性の測定を、発電所の現地で可能にした世界初の手法という(関連コラム)。

 中型トラックの箱型の荷台の中で、従来は試験場の環境でしか実現できなかった、STCの条件によるパネル温度・25℃の状態で、照度1000W/m2で太陽光のスペクトルに近似した光を照射し、I-V特性を測定する。

 STCの条件でI-V特性を測定することで、メーカーの公表する公称最大出力と正確に比較できること、不具合のあるパネルを確定できることに加えて、パネルメーカーに示せる品質でデータを得られる利点を強調している。

 STCの条件によるI-V特性の測定に加え、EL(エレクトロルミネッセンス)画像も撮影できる。

 今回のイベントは、「移動式PVラボ」の見学とセミナーで構成した。

 「移動式PVラボ」を使った現地でのI-V特性の測定、EL画像の撮影に関しては、2017年5月までは、キャンペーン価格を提示するという。太陽光パネル20枚で15万円、40枚で26万円、60枚で36万円となる。このほか、移動に要する費用などが加算される。

 2017年1月からは、地域ごとに集中的に巡回していく。2017年1月は九州と中国、2月は四国と近畿、3月は東海と関東、4月は北陸と東北、5月は東北と北海道を巡る。

 この期間に、その地域で太陽光発電所を運営している発電事業者や、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者、O&M(運用・保守)事業者などが、現地での測定を委託すれば、こうした事業者が負担する移動関連の費用を軽減できる。

 セミナーでは、塩害による架台や金具などの腐食、結晶シリコン型太陽光パネルで特定の条件下において生じる不具合である「PID(potential-induced degradation)」、強風や積雪による太陽光パネルなどの不具合などを、実際に国内で起きた事例を交えて紹介した。