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早稲田大、系統モデルに地理情報を統合、分散電源の影響評価

2017/10/13 10:44
工藤宗介=技術ライター
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構築した配電系統モデルのイメージ
(出所:早稲田大学)
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 早稲田大学は10月11日、東京電力パワーグリッド(東京電力PG、東京都千代田区)、中部電力、関西電力が運用する実配電線データに地理情報を付与し、地域特性を都市規模で捉えた汎用的な配電系統モデルを構築、公開したと発表した。大学や研究機関が実態に即したエネルギーシステムの運用制御を都市規模でシミュレーションできるという。

 太陽光発電や電気自動車(EV)などの分散型電源が大量に配電網に接続されると、天候の変化や人間行動の予測の難しさから電圧などの電力品質に与える影響が懸念され、その対策には効果的なエネルギー管理システム(EMS)を構築する必要がある。

 今回、実配電線の系統情報に基づいて面的に広がる都市規模の配電系統モデルを構築した。これにより、分散型電源が大量に導入された時に生じる課題を解決するための制御方法などのシミュレーションが可能になり、EMSの高度化に向けて有用な研究・開発が行える環境を提供するという。

 具体的には、東電PG・中電・関電の実配線情報を基に、別途取得した一般家庭、ビルなどで実測された電力消費データ(BEAM計測情報)から、各需要家の建物用途・消費電力カーブを推定し、実地域を模擬するような配電線の選定手法・地理情報の付与手法を開発した。

 地理情報付きの詳細な配電系統モデルを用いた解析により、太陽光発電などの接続によって生じる課題を時空間的、多面的に解析でき、EMSを定量的に評価するための汎用的な計算シミュレーションプラットフォームとしての役割を果たすという。

 今後の課題としては、人口減少に伴う需要構成の変化や省エネ機器の普及による電力需要の減少を時間軸でどのように表現するか、予測の難しいEVの移動や充放電をどのようにモデル化するかなどが挙げられるという。また、モデル系統がより大規模・詳細化するほど計算が煩雑になるため、計算速度の高速化も検討事項という。

 今回の研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開」研究領域の一環で実施した。

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