東レは、今から100年後の2116年を想定した衣服を披露した。“移動”に対する価値が大きく変わり、サイクリングやピクニックなどで使う衣服が大きな市場になると予想する。同社が開発する植物由来繊維を使って提案した。

 同社の技術展示会「東レ先端材料展2016」(2016年10月6日~8日、東京国際フォーラム)で発表した。サイクリングやピクニック、旅行など6種類の場面を想定。各場面に合わせて、フランスの服飾専門学校であるMOD'ART Internationalの学生が衣服をデザインした。植物由来の材料を30%使ったナイロンやポリエステルを主に使った。

 6種類の衣服のうち、100年後に大きな市場となると予想するのがサイクリングウエアだ。「季節ごとの服飾展示会で、サイクリングウエアが重要な分野になる」(東レ)と見る。100年後は、燃料を使わない移動手段が一般的になると考える。自転車は、生活範囲内を移動するときの主役になるわけだ。自転車に乗るときに着る衣服は、重要なファッションアイテムである。

サイクリングウエア
サイクリングウエア
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 展示したサイクリングウエアは、青や黄などの原色を主に使い、活動的な雰囲気にした。100年後は外で体を動かすことが「ステイタスシンボルになる」(同社)との見立てを反映した。加えて頭部を保護するフードを設けた上で、簡単に折りたためるようにし、機能性を高めた。