TMEICの推奨するPCSの点検スケジュール
TMEICの推奨するPCSの点検スケジュール
(出所:TMEIC)
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 稼働6年目には「精密点検」をーー。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は9月半ばに東京、福岡、大阪で3回にわたり、太陽光発電システム用大型パワーコンディショナー(PCS)に関する保守・点検セミナーを開催し、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の長期安定稼働に向けた保守・点検の重要性について解説した。

 東京で開催したセミナーでは、固定価格買取制度(FIT)が開始して5年目に入ったことを受け、同社・産業第三システム事業部の木暮洋・副事業部長が、「TMEICでは、年次点検のほか、5年ごとに精密点検を推奨している。PCSメーカーの専門技術者が診断し、補修・交換することで、次の5年間の安定稼働が確実になる。改正FITで導入された事業計画認定制度でも、適切な保守の計画と実施が求められている」と強調した。

 次に、具体的な点検スケジュールと「精密点検」の内容などに関し、同社・サービスマーケティングチームの大屋根照実チームリーダーが解説した。

 PCSの保守は、「日常点検」「定期点検」「精密点検」の3つがあり、「日常点検」は発電事業者が行う日常的な目視点検。「定期点検」は1年ごとに実施し、外観点検のほかPCSを停止して行う機能点検も実施する。そして、「精密点検」は5年ごとに実施し、PCSを停止し、メーカー技術者が機器の状態診断と消耗部品の交換を行うとしている。
 
 精密点検での交換部品は、6年目にはエアフィルタと冷却ファン、TMEICのエンクロージャ使用の場合はUPSとエンクロージャコーキング補修。11年目には、これらに加えLCDパネルとヒューズ、空調機。16年目にはこれらに、電解コンデンサが加わる。

 大屋根チームリーダーは、「今年は、精密点検を推奨するメガソーラーが急増する。TMEICでは、2017年を精密点検元年と位置づけ、顧客に対してその重要性を積極的に伝えていきたい」としている。