英国のredT energy社は10月3日、オーストラリア・メルボルンのモナシュ大学(Monash University)に出力300kW、容量1.02MWhの「ハイブリッド蓄電池システム」を販売すると発表した。

 同システムはバナジウムを使ったレドックスフロー電池とLiイオン電池で構成され、この構成の蓄電池システムが導入されるのは豪州では初めてという。レドックスフロー電池は出力180kW、容量900kWh、Liイオン蓄電池は出力120kW、容量120kWhである。

 モナシュ大学に新設される面積1万1400㎡の「バイオメディカル学習教育ビル」に設置され、太陽光パネルと共に利用することで、学内で再生可能エネルギーを最大限に導入すると共に電気料金の大幅な節約を目指す。

 同大学は、系統網の運用事業者にアンシラリーサービスなどを提供することで収益を得ることも視野に入れているという。

 柔軟なプラットフォームとしての活用を見込んでおり、同大学の「モナシュ・エネルギー材料・システム研究所(MEMSI)」と協力して構築する「モナシュ・マイクログリッド」の一部とする計画である。

 同プロジェクトでは、学内に設置される再生可能エネルギー電源を統合し、域内電力網の信頼性や安定性を向上させるとともに、将来的にはピア・ツー・ピア(P2P)技術による革新的なエネルギー取引を行うことも狙っている。