住友商事は9月28日、「バッテリー交換型電動バイク」を使ったインフラの開発や展開に着手すると発表した。
台湾Gogoro社と提携し、同社が欧州や台湾で展開している着脱式の蓄電池を採用した電動スクーターや充電スタンドを中心とするネットワークインフラを活用する。このインフラをオープンプラットフォームとして拡張していく取り組みを、両社が共同で進めていく。
この提携に伴い、住友商事は、Gogoro社が実施した、約300億円の第三者割当増資の一部を引き受けた。
住友商事によると、日本においては、充電スタンドに太陽光発電システムを併設し、交換用蓄電池(バッテリー)への充電に、できるだけ太陽光発電電力を使って、「太陽光で走る電動スクーター」として展開していきたいという。
Gogoro社は、バッテリー交換型電動スクーターと、交換用蓄電池の充電スタンド、関連システムを手掛けている。バッテリー交換型電動スクーターの累計販売台数は、3万4000台以上となっている。
2011年の設立後、台湾を中心に展開し、台湾では充電スタンドの設置個所は421カ所以上に増えている。セブン-イレブンやファミリーマートとも提携し、平均で1km以内に1カ所は充電スタンドがある状況という。
ドイツのベルリン、フランスのパリにも展開先の都市を広げている。
着脱型蓄電池を使っていることから、充電スタンドでは、満充電された蓄電池と交換するだけですむ。この作業は簡単で、6秒で交換が終わると強調している。
交換の作業は、スクーターの椅子の下にある蓄電池を、充電スタンドの収納スペースに差し込んだ後、他の収納スペースから、満充電済みの蓄電池を引き抜いてスクーターの椅子の下に差し込む。
こうした交換型蓄電池の仕組みは、シェアリング(共同利用)に向く。使いたい場所に近い充電スタンドで借り、移動先の充電スタンドで返却するような使い方である。
電動スクーターは、交換型の蓄電池を2個搭載して走行し、1回の満充電で約100kmの連続走行が可能としている。
現在、1日に平均で約1万7000個の蓄電池が交換されている。累計で600万回以上の交換の実績がある。
交換型蓄電池の活用のデータは、クラウドコンピューティング上に送って解析しており、蓄電池の使用状況、交換の頻度や回数などを分析し、今後のサービスに生かしていく。
Gogoro社では、こうした交換型蓄電池を使った電動スクーターのインフラを、オープンプラットフォームとして展開していく方針をもつ。さまざまな企業の電動バイクや蓄電池を活用できるようなインフラに広げていきたいとする。
そこでは、2輪車に限らず、3輪車、4輪車も対象となってくる。