ヤフーは2016年9月27日、同年10月1日の本社移転を機に、従業員の心と身体の健康増進を推進するための取り組みとして、「チーフ・コンディショニング・オフィサー(CCO)」を新設すると発表した。同社 代表取締役社長の宮坂学氏が同年9月1日付で就任した。従業員に付与しているスマートフォンや社員食堂「BASE」などを活用した健康増進の取り組みを進める。

 今後、次のような健康増進施策に取り組む予定だ。(1)従業員に付与しているスマートフォンから取得できる「歩数」「歩行距離」「上った階数」などのデータを活用し、運動量が多い従業員に対しては、BASEを利用する際に通常よりも多くTポイントを付与することを検討する。(2)BASEで注文したメニューやカロリー、栄養素の情報を従業員向け専用サイトで閲覧できるようにし、希望する従業員には、連携先の医療法人の医師や管理栄養士を通じ、食事や運動、睡眠の生活指導を行う「健康増進プログラム」を提供する。

 同社は2016年3月、メディカルフィットネスラボラトリーとの合弁会社「ワーク&ウェルネス」を設立済み。提携先の医療機関や社外の健康関連施設とも連携し、従業員を主とした健康増進の取り組みを推進していく。

 ヤフーは本社移転にあわせ、社内外とのコミュニケーションを増やすための「ジグザグに机を並べたフリーアドレス」や、社外の人も利用できるコワーキングスペース「LODGE(ロッジ)」などを導入。加えて、従業員のパフォーマンスを上げるための多様な働き方の支援や健康増進のための施策を通じ、新たな事業やサービスにつながるイノベーションを創出することを目指す。

 今回はCCOの新設に加え、多様な働き方を支援する取り組みとして「新幹線通勤」を導入。通勤時間が2時間以上かかっている従業員を対象に、新幹線代を含む通勤交通費をヤフーが負担する。介護など家庭の事情を抱える従業員に対し、より生活に合った働き方を可能とする施策だ。