ドイツMesse Berlin社で取締役 IFAグローバル統轄本部長を務めるJens Heitecker氏に、民生機器の見本市「IFA」の現状と近未来について聞いた。(聞き手は筆者)
――今年(2016年)のIFAの特徴を教えてください。
1つが国際化です。前年比で展示スペースは5%増えて1万5800m2に、出展社数は13%増えて1800社になりました。ここで注目すべきなのは、海外からの出展です。ドイツ国内の出展社数は383社から393社になり、2%の増加でした。ところが、海外の出展者数は1260社から1435社へ、14%も増加しているのです。特にアジア諸国からの出展が増えています。
――昨年(2015年)のインタビューでも、同じことを仰っていましたね。
そうです。国際化は、われわれIFAがこのところ鋭く追求しているテーマの1つです。それも、単に海外からの出展社が増えるだけでなく、ジャーナリストも顕著に増えています。昨年のデータですが、20カ国から約6000人が来られました。
――ネットワーク化も、ここ数年の傾向ですね。
もちろん、国際化と並んで、今年も顕著でした。その動きはIFAの会場のあちこちで語られていましたが、今年は単に「つながるから素晴らしい」という状況を超え、「つながっているのだから、そこからどんなビジネスができるか」というフェ-ズに明らかに変わってきました。つながった製品群のメリットをいかにユーザーにアピールするかの段階に入ったと認識しています。
――さまざまなイベントで、ネットワークの具体化が感じられました。
IFAではネットワーク関連として、初めてスマートホームをテーマとしました。またIoT、自動運転を照準にしたクルマのネットワーク化も、今回のIFAでディスカッションされました。実は、機器やシステムのネットワーク化は、IFAという場にとっても似合っているのですよ。そもそもIFAは人と人が出会うミーティングポイントです。ネットでつながり、さらに人もつながり、情報交換するのがIFAですからね。