経済産業省・資源エネルギー庁は8月29日、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会を開催した。今回は、新しい「エネルギー基本計画」を受けた最初の会合で、今後の再エネ政策に関する論点整理を公表、今後の方向性を討議した。
7月3日に閣議決定された、新しい「エネルギー基本計画(第5次エネルギー基本計画)」では、再エネの位置づけを初めて「主力電源化」と明記した。
大量導入委員会・事務局は、これを踏まえ、当面の論点を4つに整理した。それは、(1)コストダウンの加速化と固定価格買取制度(FIT)からの自立、(2)長期安定的な事業運営の確保、(3)次世代電力ネットワークの構築、(4)産業競争力と技術革新の追求――。
FITからの自立では、「需要家側の再エネ活用モデル」(いわゆる「自家消費モデル」)と、「供給側の再エネモデル」(いわゆる「売電モデル」)の2タイプに分けて、必要な事業環境整備などについて、具体的に検討するとした。
FIT後の「売電モデル」の促進策に関しては、これまでの検討会で、「参考」として、「フィード・イン・プレミアム(FIP)」が紹介されている。これは再エネ電力を卸電力市場に売却する際にプレミアムを上乗せする方式で、欧州で導入例がある。今後の会合では、FIPを1つのたたき台として、議論が進む可能性がある。
今回の事務局による資料では、国内でもLCOE(均等化発電原価)が10円/kWh未満まで下がっている案件が、事業用太陽光で119件(0.1%)、陸上風力で7件(14%)存在することが示され、今後、こうした国内トップランナーのコスト分析を検討するとした(図1)。