静岡県と静岡がんセンター、ファルマバレーセンターが推進する「ファルマバレープロジェクト」――。静岡県を「世界一の健康長寿県」にすることを目指し、富士山麓地域に医療健康産業のクラスターを集積するプロジェクトだ(関連記事)。

静岡県医療健康産業研究開発センターの模型
静岡県医療健康産業研究開発センターの模型
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 同プロジェクトの中核支援機関であるファルマバレーセンターは、静岡がんセンターの一角から、新たに建設した「静岡県医療健康産業研究開発センター」へ拠点を移転、2016年9月1日に全部開所する。これに先立って同年8月26日にプレス内覧会が開催された。

ファルマバレーセンター 所長の植田勝智氏
ファルマバレーセンター 所長の植田勝智氏
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 静岡県医療健康産業研究開発センターには2016年3月からテルモと東海部品が入居しており、一部すでに開所済み。2016年9月にプロジェクト支援研究ゾーンがオープンし、新たに10社が入居する。各企業にはコーディネーターがつき、「勝手がわからない異業種からの参入を支えていく」(ファルマバレーセンター 所長の植田勝智氏)。

 内覧会で静岡県医療健康産業研究開発センターの概要を説明した植田氏は、センターの建設で「(同プロジェクトの)活動がこれまで以上に活発になれば」と意気込んだ。プロジェクトの成果目標については次のように話した。「新製品をつくるだけではなく、新たに生み出した製品がどれだけ売り上げをあげたのかが評価につながる」(植田氏)。

高校の面影が残る共有スペース
高校の面影が残る共有スペース
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 静岡県医療健康産業研究開発センターの大部分は、旧長泉高等学校をリノベーションした建物。教室だった部屋を事務室や実験室として使えるようにした。高校の面影が残る場所もある。飲食可能な共有スペースだ。入居者ならだれでも利用できるため、「企業の垣根を越えて研究開発について話せる場になれば」(ファルマバレーセンターの説明員)。