スマートパワコン1000
スマートパワコン1000
(出所:日新電機)
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 日新電機は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けにDC(直流)1000V対応で定格出力1000kWのパワーコンディショナー(PCS)「スマートパワコン1000」を8月30日発売した。同社が2016年に市場投入した「スマートパワコン」(500kW、660kW、750kW)の新モデルで、大容量化により設置コストを低減したという。

 例えば、DC1000V・20MWのメガソーラーの場合、従来の660kW PCSでは中間変電所を1320kW単位(660kW PC×2セット)15カ所の構成を、1000kW PCSの採用により中間変電所を2000kW単位(1000kW PCS×2セット)10カ所で構成できる。PCS台数削減によるコスト低減のほか、PCSが接続される連系設備の台数削減による機器コスト低減(約15%程度)、PCS・連系設備台数減少に伴う施工費の低減が期待されるとしている。

 一般的な2レベルインバーターと比べて、より正弦波に近い波形で損失を小さくできる3レベルインバーターなどを採用したことで、効率向上により年間発電量を約1%向上し、従来機種比で内部損失を30%以上低減した。売電量増加に貢献するという。

 また、インバーターをモジュール化し、3ユニット構成とすることで、インバーターユニット1台にトラブルが発生しても、縮退運転機能により残り2ユニットで運転を継続できる。ユニット単位での運転が可能で小型PCSと同様のリスク分散が可能。

 このほかにも、エアコンレスで熱交換器と空冷を併用したハイブリッド冷却方式により消費電力を大幅削減するとともに、交換サイクルを延長した。内部構成機器に長寿命部品を採用したことと合わせて生涯メンテナンス1回を実現、20年間トータルのランニングコストを半減したとしている。

 海岸に近い場所にも設置できる重耐塩仕様。リモートメンテナンス対応で遠隔地からモニタリング可能。入力運転電圧範囲はDC510V~950V、MPPT(最大電力点追従制御)範囲はDC510V~850V、交流出力はAC330V。変換効率は最大98%以上。価格は1800万円~2200万円(構成により異なる)。2017年度で100台の受注を目指す。