ドイツのパワーコンディショナー(PCS)大手であるSMA Solar Technology社は8月10日、公式ブログで同社製PCSへのサイバー攻撃に関する公式な見解を表明した。

 発端は、オランダ企業に勤務するセキュリティ関連の技術者であるWillem Westerhof氏が8月9日に「Horus scenario」として公開したサイバーセキュリティに関する調査報告である。

 同氏は、SMA社製のPCSに対して悪意のあるハッカーがサイバー攻撃を仕掛けることで、電力網に大規模な停電が発生する可能性があるとの研究結果をウェブサイト上で公開した。

 同氏によると、ハッカーがPCSのセキュリティホールを突くことでメガソーラー(大規模太陽光発電所)に深刻なダメージを与えることが可能という。

 このため、ドイツなどで太陽光による電力が電源構成の50%を超えるような時間帯を狙ってサイバー攻撃を行い太陽光の出力をゼロにすれば、「国全体、さらに大陸全体といった範囲の大規模な停電を発生させることもできる」と主張している。

 Westerhof氏の主張に対し、SMA社は同氏の主張が「顧客を非常に不安にさせた」と同時に、同氏の言及が正しくない、または大幅に誇張されているため、同氏が書いた記事には賛同できないとしている。