太陽光発電の支持組織である米The Alliance for Solar Choice(TASC)は18日、テキサス州エルパソ(El Paso)の電力事業者El Paso Electric(EPE)社と、住宅用太陽光発電の事業者と業界団体や非営利団体らの双方が合意した「デマンドチャージ」提案の撤回という調停案を、同州の公益事業委員会(PUCT)が承認したと発表した。

 太陽光発電の支持側は、Eco-El Paso、Energy Freedom Coalition of America(EFCA)、Sunrun社、Solar Energy Industries Association(SEIA)である。

 デマンドチャージとは、電力需要のピーク時に使用する電力に追加で課金される料金であり、現在全米の各地域で電力事業者が導入を検討している(関連記事1)。

 EPE社は、住宅用太陽光発電システムを設置している顧客が、月額15ドルの追加料金とデマンドチャージを支払うことをPUCTに提案していた。

 TASCは、電力事業者がデマンドチャージを発動するタイミングを顧客が予測すること、ピーク電力需要が生じた場合に顧客がデマンドチャージを低減することは不可能と指摘している。さらに、このような分かりにくく予測不可能な料金は、太陽光発電の成長を阻害するとした。

 EPE社は、デマンドチャージだけでなくネットメータリングにおける買取価格を改定しようとしていた(関連記事2)。

 今回、デマンドチャージ導入の試みも撤回という結果に終わったことで、地域独占の大手電力事業者が太陽光発電を抑制しようとする思惑は、テキサス州エルパソの地域では太陽光発電を支持する勢力の反対によって頓挫した形となっている。

 一方、全米レベルで見ると、ネバダ州のように電力大手側の主張が通り、太陽光発電の推進側に不満のくすぶっている地域もある。テキサス州エルパソでは今後も太陽光発電推進側の主張が認められるのか、注目される。