米Nexamp社の設置した分散型太陽光
米Nexamp社の設置した分散型太陽光
(出所:米Nexamp社)
[画像のクリックで拡大表示]

 三菱商事は8月10日、米国の発電事業統括会社である同社100%子会社のDiamond Generating Corporation社を通じて、米国の分散型太陽光発電事業者であるNexamp社に出資した、と発表した。

 米Nexamp社は、分散型太陽光発電事業の開発・建設・運転保守・資産管理を手掛け、米国北東部を中心に約50MWの開発実績を持つ。

 米国では、遊休地や住宅・商業施設の屋上を利用した小規模の分散型太陽光発電事業が、成長分野として注目されている。背景には、太陽光パネルの低価格化や連邦・州レベルでの支援政策が相まって、一般家庭を含む最終需要家の電力小売価格を低減できる段階まで太陽光の発電コストが下ってきたことがある。

 Nexamp社は、これまでの実績を基に、こうした成長分野での事業拡大を計画している。三菱商事はNexamp社の筆頭株主となって同社の経営に参画して、分散型太陽光発電事業に取り組む。並行して、今後の事業拡大とさらなるビジネスモデルの変革を通じて事業価値の最大化を目指すとしている。

 三菱商事は火力発電のIPP(独立系発電事業者)として世界各国で発電事業の開発・運営に取り組んでいる。米国ではここ数年、環境規制の強化に伴う石炭火力の閉鎖が相次ぐ一方で、安価なシェールガスの増加により天然ガス火力が増加するとともに大規模集中型の風力・太陽光案件を中心に再生可能エネルギー導入も促進されてきた。

 こうしたなかで、次のエネルギー分野の成長モデルとして、分散型が注目されている。三菱商事は、こうした事業環境の変化を捉え、新たなビジネスモデルに取り組む。