関電工は8月3日、三菱総合研究所(東京都千代田区)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(同)と、メガソーラー(大規模太陽光発電所)による発電事業を長期的に健全に運用するための連携で合意したと発表した。7月に合意書を締結した。

 九州電力に端を発した接続申し込みの回答保留を受け、2015年1月の再生可能エネルギー特別措置法の施行規則の改正により、東京・中部・関西電力を除く電力会社の地域において、各管内の接続可能量(30日等出力制御枠)を超過した後に接続契約を結ぶ場合、無制限・無補償の出力抑制が条件となった。

 しかし、無制限・無補償の出力抑制を受ける案件は、売電量を予測しにくく、事業性の検証が困難となる。金融機関などからの資金調達が難しくなることから、開発や買収が進まない課題がある。

 今回の合意は、こうした無制限・無補償の出力抑制案件の事業化を後押しする目的がある。

 3社が、無制限・無補償の出力抑制案件を適切に評価し、採算性を見通した事業運営と、ファンドの組成に向けて協力する。

 関電工と三菱総合研究所は、それぞれの地域の電源構成を模擬した需給シミュレータを開発・活用し、検討する太陽光発電所における出力抑制量を定量的に予測し、売電可能量を評価する。

 また、関電工は、自社の発電事業のノウハウを活用し、太陽光発電所などのO&M(運用・保守)を積極的に受託するため、100%子会社のエナジーO&Mを設立したと発表した。7月27日に設立した。

 技術面、資金面などの事情により開発が停滞しているメガソーラーの適切な開発を後押しする。さらに、発電事業者側の事業継続が困難といった事情や、十分な発電量が得られない、売電量が適切に評価できないといった技術面での課題を抱えるメガソーラーの価値を最大限に高める方策などを支援する。