中国トリナ・ソーラーは8月1日、Jifan Gao会長兼最高経営責任者(CEO)が主導する投資家コンソーシアムによる同社の株式買収により、ニューヨーク証券取引所(NYSE)における株式上場を停止し、非公開企業とする意向を発表した。

 株式の買い取りはすべて現金により、株主資本の価値は約11億ドルであるとしている。

 投資家コンソーシアムは、Gao会長兼CEOの他にFortune Solar Holdings社、Fortune社の子会社であるRed Viburnum Company社、Shanghai Xingsheng Equity Investment & Management社などから構成され、いずれもGao氏や同氏の近親者が会社の実質的な所有者とみられる。

 買収の合意に基づき、買収の実効的な時点で同社の発行済み株式が無効となり上場廃止となる代わりに、同社の株主は一株当たり0.232ドル(利息を含まず)の現金を受け取る権利を得る。同社株式50株に相当する米国預託株式(ADS)の場合、ADS一株当たり11.60ドルの現金を受け取る権利を得る。

 買収における株式の買い取り価格は、同社が株式を非公開とする提案が発表された日の直近の最終取引日である2015年12月11日の同社ADSの終値に21.5%のプレミアムを加えた額である。また、この買取価格は今回の発表の直前の最終取引日である2016年7月29日の同社ADSの終値に40.6%のプレミアムを加えた額に等しい。

 投資家コンソーシアムによる同社の買収とNYSEでの上場廃止は、株主による多数決の承認などに依存するものの、現時点では2017年の第1四半期に完了すると見込まれている。

 同社は今回の買収に関する届け出を「Form 6-K」と呼ばれる書式により米証券取引委員会(SEC)に申請済みであり、SECのサイト上で届け出た内容の閲覧が可能となっている。