宮城県亘理町で7月27日、出力約80MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「亘理太陽光発電所」のパネル設置完了式が開催された。東日本大震災で津波に被災した沿岸地区、約75haに太陽光パネル約30万枚を設置した。
パネルの設置容量79.548MW、パワーコンディショナーの定格出力49.3MWに達し、津波に被災した沿岸部で着工・稼働済みのメガソーラーでは最大規模となる。発電事業主は、アミューズメント機器の開発・販売、航空機リースなどを手掛ける山佐(岡山県新見市)となる。
式典には、山佐と施工関係者に加え、来賓として亘理町の三戸部貞雄副町長、斎藤貞前町長、同町役場の担当者など約30人が出席した。三戸部副町長は、「早いもので震災から7年4カ月が経ち、新生・亘理町を象徴する復興事業がようやく完成し、地域の活性化も期待される。山佐にはこの地で末永く発電事業を続けて欲しい」と挨拶した。
その後、山佐の佐野慎一代表取締役が、最後の1枚のパネルをドライバーで取り付けた。
亘理太陽光発電所の総事業費は約200億円。2017年6月に発電設備の施工に着手し、2018年12月の完成を予定している。EPC(設計・調達・施工)サービスはユアテック、太陽光パネルの設置作業は福山(東京都中央区)が担当している。
太陽光パネルは、京セラ製の多結晶シリコン型(280W/枚)とソーラーフロンティア製のCIS化合物型(175W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)には東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の1667kW機とSMAソーラーテクノロジー製の1100kW機を導入した。
山佐と亘理町、宮城県は2015年3月に、メガソーラープロジェクトに関する立地協定を締結し、計画を進めてきた。発電収入の一部を農業支援に生かす目的で、毎年、亘理町に寄付することが決まっている。
山佐は2013年からメガソーラー開発事業に参入し、これまでに連系出力ベースで約500MW、パネル容量ベースで約700MWの設備認定済み案件を取得しており、建設を進めているという。