普及型ZEBオフィスの主な要素技術(番号の技術名は下の図)
普及型ZEBオフィスの主な要素技術(番号の技術名は下の図)
(出所:竹中工務店)
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普及型ZEBオフィスの主な要素技術
普及型ZEBオフィスの主な要素技術
(出所:竹中工務店)
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テイ・エス テック本社オフィス
テイ・エス テック本社オフィス
(出所:竹中工務店)
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 竹中工務店は、費用対効果に優れた省エネ技術と太陽光パネルとを組み合わせた「普及型ZEBオフィス」を建設し、Nearly ZEB(ニアリー・ゼロエネルギービル)認証を取得した、と7月23日に発表した。

 大手自動車部品メーカーのテイ・エス テック(埼玉県朝霞市)の本社オフィスを設計・施工した。Nearly ZEBの認証は、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)によるもの。またCASBEE埼玉県(埼玉県建築物環境配慮制度)でSランクを取得した。

 同建物の建築計画では、南北面の高さを抑えた横連窓(南面Low-Eガラス)と断熱パネルで構成し、高い断熱性能と眺望および採光を両立させた。

 屋上には容量87kWの太陽光パネルを設置した。発電した電力は自家消費し、休日など発電量が消費量を上回るときのみ売電する。太陽光パネルおよびパワーコンディショナー(PCS)は、パナソニック製を採用した。

 高断熱や外気導入制御、LED照明や昼光制御などにより、建物内外からの熱負荷を削減。空調・照明はゾーニングを細分化し、画像センサーで人の在・不在を検知して自動制御する。汎用性の高い省エネ技術によるシンプルな構成で、専門のビル管理者や技術者不要で省エネ運用できるよう配慮した。

 このほかにも、エネルギー消費量の目標値を設定し、実績値が目標値を超えた場合にECOサインを点灯させるなど、省エネの達成度合いをリアルタイムにフィードバックする。省エネ行動への働きかけを行うとともに、働き方とエネルギーの関係を意識しやすいように工夫したという。

 鉄骨造の地上3階・棟屋1階で延床面積は3727m2。2階のオフィスはオープンプロアとしてオフィスレイアウトの自由度を高めた。敷地内は積極的に樹木を保存した景観計画とし、室内に居ながら屋外の快適度を知らせ、休憩時などに外に出てリフレッシュできるようにした。