太陽光パネル大手の中国GCL System Integration Technology(GCL-SI)社は7月28日、ベトナムにある太陽電池セル製造 工場の操業を27日に開始したと発表した。同工場の生産能力は、最大で年間600MW。

中国GCL-SI社がVina Cell社と共同で立ち上げたベトナム工場の操業記念祝典の様子
中国GCL-SI社がVina Cell社と共同で立ち上げたベトナム工場の操業記念祝典の様子
(出所:PRNewsfoto/GCL System)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社がベトナムの太陽電池メーカーであるVina Cell Technology社に出資し、今年初めから準備を進めていたもの(関連記事1)。

 GCL-SI社のShu Hua社長は、「ベトナム工場の立ち上げは、グローバル市場での競争力を強化し、国際的なブランド・イメージの構築に寄与するだろう」と述べている。

 同工場では、特に「PERC」(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)製品の製造を強化する意向である。

 同社のDong Shuguangエグゼクティブ・ディレクターは、「この数年、多結晶シリコンのPERC製品で発電効率の改善に取り組んできた。2017年の初めまでに『Black Silicon PERC』製品の効率は平均で20.3%まで向上した。2017年末までに20.5%を超える見込みだ」とPERC技術の開発に自信を示す。

 中国政府が掲げる「一帯一路」構想に伴い、2016年に中国の太陽光パネルメーカー各社は、20カ国以上に製造工場を建設しており、生産能力の合計は5GWを超えた(関連記事2)。反ダンピング課税などの問題により欧州と米国への輸出が30%以上減少した一方、インド、トルコ、チリ、パキスタンなどの新興国市場への輸出が拡大したという。

 同社のZhu Gongshan会長は、他の中国の太陽光パネルメーカー各社に対しても、「団結して海外に進出し、国外の市場でより有利な立ち位置を獲得する」よう、さまざまな機会で呼びかけている。政府の「一帯一路」構想に沿った戦略的な動きであり、同社もグローバル市場で多くの事業機会を獲得できると見込んでいる。