図1 イギリス ロンドンで開催された会見の様子
図1 イギリス ロンドンで開催された会見の様子
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンクグループ 代表取締役社長の孫正義氏が英ARM Holdings(ARM)社の買収について2016年7月18日にロンドンで記者会見した(図1)。ソフトバンクグループはARM社の株式の100%を取得し、ARM社を完全子会社化する(関連記事)。買収金額は日本円で3兆3000億円と巨額。しかし、孫氏は「たかが3兆円」と表現した。ARM社の業績はここ数年で伸び続け、2015年にARMアーキテクチャを採用したチップの出荷量は148億個を超え、利益は約578億円と右肩上がりの成長を続ける(図2)。IoTや自動運転の普及により、「売り上げや利益率が共に今後も指数関数的に成長していく」(同氏)。

図2 ARM社の利益と売り上げは右肩上がりに成長を続けている
図2 ARM社の利益と売り上げは右肩上がりに成長を続けている
[画像のクリックで拡大表示]

 今回の買収によるARM社側のメリットとして孫氏は、「ARM社がソフトバンクグループの完全子会社となることで、4半期ごとの決算から解放され、思い切った投資ができる」と語った。加えて、「今後5年間は投資の期間として見ている」という。今後は、IoTや自動運転を見据えた研究開発投資に力を入れる。その一環としてソフトバンクグループは、ARM社のイギリス国内で現在約1600人いる従業員数を最低でも2倍にすると発表した。研究開発に携わるエンジニアを増やす。