東京都は、小笠原諸島の母島において、島の全電力を太陽光発電のみで賄うための技術確立を目指す実証プロジェクトの検討を開始した。
7月1日に母島を訪問した小池百合子都知事が、同島で開催された、小笠原諸島返還50周年記念セレモニーにおいて明らかにした。
1年のうち半年程度、島内の電気の供給を太陽光発電だけで賄う体制を実証し、全量を太陽光発電に切り替えられる電力網に必要な技術を確立する取り組みとしている。
この実証プロジェクトは、東京都に加え、母島が所属する小笠原村、東京電力グループの3者が連携して検討している。小池知事は、4年後の2022年度をめどに実証を開始する意向を表明した。
東京電力パワーグリッドによると、現在の母島の電力供給は、ディーゼルエンジン発電機で賄っている。化石燃料を使うディーゼル発電を太陽光発電に転換できれば、小池知事の強調している環境面の利点に加えて、燃料の調達コストを低減できる。
同社によると、実証プロジェクトの可能性を検討しはじめたばかりの段階で、導入する太陽光発電設備の規模や、設置場所などの概要については、未定としている。
母島は、日射の面で太陽光発電に向くことから、離島において再生可能エネルギー電力で100%賄えるモデルを検証する場所に選んだという。
検討中の実証プロジェクトにおいて、蓄電池の導入は未定としている。
同社が離島で実証中の再エネ活用プロジェクトでは、伊豆大島と新島において、蓄電池を導入している例がある(関連ニュース)。