再生可能エネルギー関連事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は、2016年7月1日、エナジーグリーン(東京都新宿区)からグリーン電力証書発行に関するすべての事業を取得すると発表した。

 同社は、2009年からグリーン電力証書の発行事業を展開してきた。今回の買収によってグリーン電力証書の発行事業で業界第2位の規模となる。今後は、契約している再生可能エネルギー発電所の発行余力を生かし、同事業の拡大を目指す。

 また、買収を機に、グリーン電力証書を活用した「再エネ100%」の電力小売りサービスを開始する。

 ネクストエナジー・アンド・リソースは、「GREENa」との商号で、電力小売りサービスに参入していた。「再エネ100%」プランの特徴は、(1)グリーン電力証書を活用することで、需要家が「再生可能エネルギー100%の電気使用」として、対外的にアピールできる。(2)電気料金は一般電気事業者と同レベル(家庭用サービスプラン導入時を想定)。(3) 契約により全国各地域の再エネ発電所(太陽光、風力、バイオマスなど)を選択できる。

 同社によると、小売電気事業者が、再エネ電源の比率を高めることは、FIT電源を含めても、採算性の観点から極めて難しいという。グリーン電力証書事業による環境価値の移転というスキームを利用することで、環境価値の存在しないFIT電源と区別し、「再エネ100%」の価値を需用家に提供できる。

 グリーン電力証書を活用した「再エネ100%電気」とJ-クレジット制度を活用した「CO2ゼロ電気」の2本柱によって、「100%再生可能エネルギー」の電力供給を目指す。電力小売り業界に新たな方向性を打ち出す。