イベント会場で初めてフルサイズで展示した「SOLARWARE 2500」
イベント会場で初めてフルサイズで展示した「SOLARWARE 2500」
(出所:日経BP)
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PCSの点検保守の必要性に関して注意を喚起
PCSの点検保守の必要性に関して注意を喚起
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、横浜市で開催中の太陽光発電関連の展示会「PVJapan2017」(7月5~7日・パシフィコ横浜)で、直流1500Vに対応した定格出力2.5MWのパワーコンディショナー(PCS)「SOLARWARE 2500」を出品した。展示会場において同機をフルサイズで展示したのは初めて。

 同社は、6月29日に同機の姉妹機で、出力1.25MWの「SOLARWARE 1250」の販売も開始しており、高圧配電線や特別高圧送電線に連系するメガソーラー(大規模太陽光発電所)向け大容量PCSで、「1500Vへの移行」を前面に押し出す。

 同社が1500V対応を急ぐのは、固定価格買取制度(FIT)の買取価格の低下による初期投資の削減ニーズに応えるため。直流回路の高圧化によるストリング(パネルの直列回路)枚数の増加(接続箱の減少)、PCSの大容量化(台数の削減)によって、メガソーラーの電気設備コストの大幅な削減が可能になる。
 
 1500V対応の新型機では、屋外設置も特徴となる。筐体(エンクロージャー)が不要で、運用面でもエアコン稼働に要する電力が要らないため、コストを削減できる。

 同社では、従来、高温高湿の日本国内では、筐体内に設置するタイプを主流にしてきた。新モデルでは、主回路や制御基板などを密閉構造とし、ヒートパイプで冷却するシステムを採用した。この冷却システムは海外向けでは採用してきたが、日本の環境下に合わせて改良することで、屋外設置方式と長期信頼性を両立したとしている。

 今回の展示会では、固定価格買取制度(FIT)改正に伴う「O&M(運用・保守)の義務化」が1つのテーマとなっている。TMEICでも、PCSの適切な保守・点検について展示会で注意喚起しており、まず、稼働6年目の「精密点検」実施を促している。

 同社では、さらに7月26日15時~17時に「改正FIT法に対応したPCS保守点検セミナー」を都内で開催し、PCSの適切な保守点検について意識を高めていく考えだ。同セミナーは、東京コンベンションホール(東京都中央区)で開催し、参加は無料。法律の専門家による改正FIT法の解説の後、TMEICの担当者がPCSの適切な保守点検に関し解説する。