スウェーデンの重工業大手であるスカニア(Scania)社は7月2日、屋上設置でオランダ最大となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)を東部オーファーアイセル(Overijssel)州のズヴォレ(Zwolle)工場に建設すると発表した。

 同工場の5万5000m2に達する屋上に2万2000枚の太陽光パネルを設置し、総設備容量は6MWとなる。これにより、同工場における製造工程の全プロセスに要する電力を再生可能エネルギーだけで賄う計画である。

 スカニア社は、ズヴォレ工場が排出する温室効果ガスを2020年までに正味でゼロにする目標を策定しており、太陽光発電はそのための施策の一つである。この目標を達成すれば、ズヴォレ工場はスカニア社の工場の中では初のゼロエミッション工場になるという。

 太陽光以外の再エネとしては、風力発電にも取り組んでいる。同社のオランダ法人は2016年9月、市民によるプロジェクト「Blauwvinger Energie」、およびWindesheim Collegeと共同のプロジェクト「ズヴォレ風力発電(Windenergie in Zwolle」をスタートさせた。

 同プロジェクトでは、ズヴォレ・アイセル運河の近くに風力発電設備3基を設置し、そのうち2基は同社ズヴォレ工場の敷地内に設置予定という。ローターの直径は100m、1基当たりの出力は2~3MWとなる。

 スカニア社はズヴォレ工場だけでなく他の工場でも製造工程における温室効果ガスや廃棄物といった環境負荷の低減に取り組んでいくとしている。

 同社は、大型トラックやエンジンなどの製造でドイツのダイムラー、スウェーデンのボルボに次ぐ世界第3位の大手メーカー。現在は、独フォルクスワーゲン・グループに属する。今後、これら大手3社の製造工場で、太陽光パネルの設置がさらに加速する可能性もありそうだ。

オランダ・オーファーアイセル州にあるスカニア社のズヴォレ工場 (出所:Scania)
オランダ・オーファーアイセル州にあるスカニア社のズヴォレ工場 (出所:Scania)
[画像のクリックで拡大表示]