中国の太陽光パネル大手であるトリナ・ソーラーは6月18日、中国の陝西省銅川市において、合計出力250MWの太陽光発電プロジェクトに入札し、太陽光発電関連企業2社との共同で落札したと発表した。
このプロジェクトは、2015年に中国の国家エネルギー局(NEA)がはじめたプロジェクトである。
今回の銅川市では、農業、太陽光発電、観光、貧困撲滅に関するさまざまな要素を統合した構想で、太陽光発電は営農型で実施される。
トリナ・ソーラーは今回、同社が強化しているシステム提案「TrinaPro」を活用し、太陽光発電設備を導入する(関連コラム)。
このシステム提案では、太陽光パネルから架台、パワーコンディショナー(PCS)、遠隔監視システムまで一括で提供することを基本としている。
今回、太陽光パネルは、自社製のN型両面発電タイプを使う。変換効率は、20.67%となっている。これに、スペインNclave Renewableの追尾式の架台を組み合わせる。同社は5月に、トリナ・ソーラーが買収した(関連ニュース)。
両面発電タイプのパネルは、裏面により発電量が多くなること加え、保証期間が30年間と長い特徴もある。このため長期的に発電所の収益性が高まる利点があるという。また、追尾型架台まで最適に組み合わせて提供することで、発電効率や信頼性をさらに高められるとしている。
パワーコンディショナー(PCS)については、中国のファーウェイ、Sungrow Power Supplyの2社と提携し、供給していくことを表明しており、どちらかの企業の製品を採用するとみられる。
トリナ・ソーラーによると、こうしたシステム提案を本格的に採用した初めてのプロジェクトになる。
遠隔監視システムについては、PCSの発電量のデータをクラウドコンピューティング上に送信して分析し、早期に不具合を発見・通知することで、運用の効率向上に寄与するとしている。これらを総合して、発電量の増加、設計の効率化、均等化発電原価(Levelized Cost of Electricity : LCOE)の低減などを実現できるとしている。