米国の太陽光発電産業協会(SEIA)は6月27日、全米のプロスポーツ施設37カ所で合計出力46MW以上の太陽光発電設備が稼働中であると発表した。同協会が公開した調査「Solar for the Win: A Study on Solar in U.S. Professional Sports」によるもの()。

図●米SEIAが調査した、太陽光発電を備えるプロスポーツ競技施設の所在地
図●米SEIAが調査した、太陽光発電を備えるプロスポーツ競技施設の所在地
(出所: SEIA)
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 過去5年間だけでも米国のプロスポーツのチームや施設16カ所で34MW以上の容量が設置されており、これは全米のスポーツ施設で稼働中の太陽光発電の総容量の約75%に相当するとしている。

 全米の主要なプロスポーツ競技連盟としては、NFL(アメリカンフットボール)、NBA(バスケットボール)、MLB(野球)、NHL(アイスホッケー)、MLS(サッカー)、NASCAR(自動車レース)、IndyCar(同)などがあり、いずれも太陽光発電システムを備えた施設を既に保有している()(関連記事1)。

表●太陽光発電を装備している全米のプロスポーツ競技施設の一覧
表●太陽光発電を装備している全米のプロスポーツ競技施設の一覧
(出所:SEIA)
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 中でも、NFLでは全米にあるスタジアムの3分の1に太陽光発電が設置されており、MLBとNBAでは消費電力に占める太陽光の比率がそれぞれ30%に近い水準という。太陽光発電システムが設置されているスタジアムやアリーナ、レース場で開催されたイベントに足を運んだ米国人は昨年、約4200万人に達した。

 今回の調査結果について、SEIAのアビゲイル・ロス・ホッパー代表は、「全米の球場やスタジアムは、電気代を節約するために太陽光発電に投資しており、クリーンなエネルギーが将来のためのスマートな選択であることを示している。太陽光がプロスポーツ施設ではごく普通となりつつあるため、2018年時点のチャンピョンチームであるフィラデルフィア・イーグルス(アメリカンフットボール)やゴールデンステート・ウォリアーズ(バスケットボール)の拠点施設では、いずれも太陽光が導入されている」と述べている。

 全米のプロスポーツで最大規模の太陽光発電は、有名な「インディ500」レースの拠点であるインディアナポリス・モーター・スピードウェイに導入された9.6MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)である。

 一方、NBAのサクラメント・キングスは、使用する電力の一部をサクラメント市外にある11MWのメガソーラーから購入している。

 全米プロスポーツでは太陽光発電のほとんどがスタジアムや練習施設などに設置されたものだが、太陽光による電力の購入を拡大するため、メガソーラーやコミュニティソーラーを運営する発電事業者や電力事業者との提携を検討するチームが増えているという(関連記事2)(関連記事3)。