構造設計例の架台(一般仕様)
構造設計例の架台(一般仕様)
(出所:NEDO)
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構造設計例の架台(一般仕様)
構造設計例の架台(一般仕様)
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と太陽光発電協会(JPEA)、奥地建産(大阪府松原市)は6月18日、自然災害や経年劣化に対して安全性と経済性が高い太陽光発電システムの架台・基礎の設計基準「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2017年版」を策定したと発表した。3者のWebサイトからダウンロードできる。

 構造安全性の高い太陽光発電システムの提供に向けて、地上設置型の基礎と架台の設計のためのガイドラインで、総則、計画、調査、設計荷重、基礎の設計、架台の設計、腐食防食の7章および参考文献から構成される。また付録として、一般仕様・強風仕様・多雪仕様の設計例を掲載した「地上設置型太陽光発電システムの構造設計例」を用意した。

 暴風や大雪による太陽光発電システムの設備被害は、発電事業の採算性を損なうほか、設備倒壊や飛散による二次被害の発生が懸念される。太陽光発電システムは「電気設備の技術基準の解釈」に従って構造設計を行うが、一部に誤った設計が見受けられ、被害事例の多くは不適切な設計による構造耐力の不足が要因となっていると考えられる。

 これまでNEDO事業で実施してきた太陽光発電システムの構造安全性の架台・基礎に関する調査・研究・実証実験で得られた知見を基に、今回の設計ガイドラインおよび構造設計例を策定した。今後、事業者などの設計に広く用いられることを目指すほか、適用性を向上させるための実証実験や調査に取り組んでガイドラインの内容を充実させ、改訂していくとしている。

 また、同設計ガイドラインを中心に、関連する太陽光発電システムの保守・点検や評価などを実施する上で参考になる事項や資料などを解説するセミナーを8月から実施する。全国10カ所(北海道、宮城、東京、愛知、富山、大阪、広島、香川、福岡、沖縄)を予定しており、参加費は無料(事前申し込み、定員制)。