ドバイの太陽光発電システムに設置した電力貯蔵用NAS電池
ドバイの太陽光発電システムに設置した電力貯蔵用NAS電池
(出所:日本ガイシ)
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 日本ガイシは6月22日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国で実施される蓄電池実証プロジェクト向けに7.2MWhのNAS(ナトリウム硫黄)電池を納入したと発表した。出力13MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に併設した。

 ドバイに大規模な電力貯蔵用蓄電池が設置されるのは初めてという。3月に設置を完了し、今夏から運転を開始する予定。

 ドバイは、化石燃料からの脱却に向けて再生可能エネルギーへの投資を加速させており、南部に世界最大のメガソーラー「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park(モハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ソーラー・パーク)」を建設している。同ソーラーパークでは2030年までに合計5000MW(5GW)の太陽光発電と集光型太陽熱発電を導入する。これにより、同国の総発電量における再エネ比率は25%まで高まる見込み。

 今回受注したNAS電池は出力1.2MW、定格容量7.2MWhで、同ソーラーパーク内の出力13MWの太陽光発電所に併設した。実証プロジェクトでは、電力系統に対する太陽光発電の出力変動を緩和する技術としての有効性を検証する。

 具体的には、NAS電池の特徴である大容量を生かしたエネルギーシフトや、周波数調整など複数の用途への活用を検証する。

 NAS電池は、高温で動作し、外気温の影響を受けないため、中東のような高温の地域でも安定した性能を維持できるのが特徴という。同社は、同実証プロジェクトを足掛かりに、太陽光発電の導入が急速に進む中東諸国への販売活動を積極化する。これまで全世界で約200カ所・総出力530MW・総容量3700MWh以上の設置実績がある。